自宅用タワーマンション、購入するならこの条件。

参考文献

・2025年東京不動産大暴落
・2020年マンション大崩壊
・タワーマンションの真実
・コワ~い高層マンションの話
・住んでみなければ絶対にわからないタワーマンションほんとの話
・100年マンション資産になる住まいの育てかた
・すべてのマンションは廃墟になる

タワーマンション

いいですよね、タワーマンション。昔住んだことありますが、便利だし、カッコいいし、広めのテラスでシャンパンなんて飲んだ日には、テンション上がって「勝ち組だー」って妄想を叫んでしまいそうです。

最近、ワンルームマンション投資本を大量に読んだら、ノーリターンだとわかったという記事を書きました。私は不動産投資歴8年目で、おそらく不動産関係で200冊程度は本を読み(年間200冊読書を10年続けています)、たくさんのセミナーにも出てきました。色んな観点からワンルームマンション投資の利点は全くないという結論になり、ワンルームマンション投資は行っていません。

先日、後輩から「自宅用としてタワーマンションが欲しいがどう思いますか」と質問がありました。この質問、おそらく過去10人程度から受けたような気がします。自宅用タワマンの是非について、自分なりの意見はあるものの、客観的なデータを持っていません。理論的な結論を出したいと思い、本を読んで勉強しようと読み漁りました。この質問の答えは、おそらくタワーマンション購入を気にしている人達にはよい答えになったと思い、共有の意味で今回は書いてみようと思います。

高層タワーマンションの定義

高層タワーマンションには定義は、20階建て以上のマンションを指します。首都圏では、現在約300棟、10万世帯分が存在しているようです。23区内の人口が921万人なので、全然足りていないですね。

しかし、これは高層タワーマンションの定義であり、低層も含めたマンションはというと、23区内では370万戸存在し、ここ10年間は毎年5万戸ずつ増加しています。都内の数値では、実に人口の27%がマンションに住んでいる計算になります。東京だと土地が狭く、高いため、どうしても上に伸びる構造体になる必要があります。しかも、タワーマンションだと、

・防犯上の利点が大きい
・1階にコンビニなどが入っている事が多く、高級高層タワーマンションだとジムやスパもついていて便利
・ゴミが24時間捨てれる
・景色がよく、勝ち組感を味わえる
・同じ年齢、年収の層が多く、友人が増えたりする

などが利点として上がると思います。どれも素晴らしい事だと思います。 

タワーマンションの購入を検討する場合

タワーマンションに「住む」のは、とても素晴らしいと思います。しかし、資産性に着目してタワーマンションを「購入する」場合は、少しだけ考える事があります。豪華絢爛なタワマンですが、現在の低金利、住宅ローン減税などの言葉から、購入意欲が湧いてくるのだと思いますが、果たしてそれだけで購入してよいのものか。もしくは、購入するならどういった物件を考えるべきなのか。

購入後、管理費や駐車場費、修繕積立金、固定資産税が存在するのをご存知でしょうか。

管理費は、「共用部はみんなで割り勘して払おう」という費用です。例えばエレベーターの電気代、その管理、入り口にいるコンシェルジュへの給与やゴミ収集など色々支払われます。問題となるのは、ジムやプール、スパ、バーなどが入っている場合。とても素敵だし住んでいる人は格安で利用できますが、利用の有無にかかわらず、基本費用として共益費として支払う義務が出てきます。
 

また、10年、20年毎に行われる大規模修繕のための「修繕積立金」。これは、「いずれ大規模修繕を行うので、今のうちから強制的に集めておきます」というもの。全員支払い義務があり、それをオーナー会社が管理し、いずれ修繕に当てます。自分達のマンションなので、修繕を自分たちで割るのは当たり前、つまり返ってきません。さらに土地・建物評価に掛かる固定資産税も払う必要があります。

これだけなら知っている人も多いでしょうが、実は知られていない事例も存在します。例えば、マンションの老朽化により、大規模修繕をいよいよ行う時期になった時、住んでいる人の一部未払い金がある場合、予定している金額に届かなければ大規模修繕は見送りになります(相見を取って安くやるという考えなんてありません。自社の下請けに流すんだから。)この滞納が発生していない確率は計算されていて、実に37%。つまり、6割は回収できずに修繕できないのが現状です。それもそのはずで、この「修繕積立金の支配ら義務」は管理組合による義務であり、法的な力はないからです。滞納し続ける対応は、「組合によって変わってくる」きますし、それは管理組合規則に載っています。ほとんどは「滞納を続けた際、最悪の場合訴訟の提起やマンションの競売などの強制執行を行います 」とあるはずです。しかし、本当にそこまでやる組合はかなり少ないのが現状のようです。

日本のマンションの場合、修繕積立金については「段階的増額方式」を採用しています。新築に近い築10年間は少ないですが、徐々に上がっていき、最終的には当初の積立金の5倍の額になったりします。こうなると、億ションの場合、毎月のローンに加え、追加の支払いが月15万を超えてきます。「ローンが終わればタダで住める」のような言葉は嘘で、常にお金を支払う義務が出てきてしまいます。

また、修繕をする際、法律で多数決を行う必要があります。もし、所有者が実際は住んでいなかったり、連絡が取れない場合、多数決が足りずに修繕を行う事はでない事例もあります。
 管理会社がしっかりしていれば、それらを弁護士使って法的にまとめてくれます。高級タワーマンションなど大手が絡んでいればよいですが、中途半端なマンションでは、その修繕費用はどこか別の使途不明金になっている事が多いようです。

最終的に、築30年、ローンは終わっても月15万以上の支払い、修繕費用はどこかに消えてしまい、玄関もどこもボロボロの状態に。売るに売れない無駄に持っている。というのが、十分可能性として存在します。

地域差もあります。港区は今は高級なイメージですが、埋め立て地という事実に加え、タワーマンションの数が多すぎます。実際、山手線内の同規模のマンションの半額程度で購入できるので人気です。しかし、オリンピックの選手村マンションの大量供給問題なども含め、ミクロでみると供給量が多く、10年以内に間違いなく値下がりに転じるのがわかっている場所です。不動産業界人に聞くと、2018年からすでに新築でも売れ残りが出てきて、キャピタルゲインを狙った層も売りに転じており値下がりが始まっているようです。

「職場が港区だから、それでもいい」「海風が好き」「ベイブリッジ見ながら生活するのが夢」というなら、いいですが、それでも「賃貸でよいのでは?」という認識です。

個人的な結論

「家を買う」と、職場が変わろうが、生活が変わろうが、子供が多くなろうが、そこに住む必要があります。賃貸に出せば良いという人もいますが、そうなるとワンルーム投資になり、そもそも私は大反対の立ち位置に回ります。なぜかという理由はワンルームマンション投資を読んでいただきたいのですが、価値と金利の面が大きいです。
 マンションは2018年から2020年くらいの値段が間違いなく一番高いです。その後価格は減少すると、2030年くらいまでは予想が立っています。その後は政策や、その時の首相、国際情勢で変わってくるかもしれませんが、今の時代より値上げする確率はかなり低いです。
 また、自宅用マンションの場合、超低金利の「住宅ローン」を選択できます。そのローンでマンションを買って貸し出した場合、次に買うときは「セカンドハウスローン」と言って、金利が倍以上になります。一つの過程で2つの住宅ローンは組めないからです。これまで裏技的に方法はありましたが、現在ではそれもできなくなってしまいました。

ここまで考えて、それでも欲しいなら、以下の条件ならOKだと考えています。

・ローン支払い中の35年間、住み続けるという覚悟がある
・子供やペットの数が今考える予定より増えることが考えにくい(広さと部屋を広くできないので)
・子供の学区問題などもすでに考慮していて、このマンションで行ける範囲内だと考えている。
・もし何かの理由で他のマンションに住まないといけない場合、値下がりしていても損切りして売る覚悟がある(ワンルームマンション投資は損しかないので、「貸す」という発想は非常に危険です)
・価値を考え、山手線の中で、駅直結型か特異的人気な場所。特異的とは、法律でもうこれ以上近隣に高層マンションが建てれないような場所。
・ 過去の事例から、 少し無理をしてもペントハウス含め上層階の方が、少しでも価値が下がりにくい
・「海が見たい」「どうしても港区」など、どうしても外せないこだわりがある場合は、家庭内で相談してください

買うなら、一番のお勧めは中古戸建です。

日本では木造だと22年で耐用年数が切れ、簡単に言うと「法的には無価値」という認識がされてしまいます。築22年なんて、リフォームすればまだまだ新築と変わらないです。他の国ではまだまだ新しい部類に入るのに、日本は「無価値」。100年住宅とかコマーシャルやっているのに、法的にはそういう事になってしまう。新築を買うと、その業者に大体3割程度の上乗せ分が入る事はよく知られていると思います。つまり、新築から1日後に売却すると、3割値下げになります。日本人は本当に新築好きな国民性なので。

築20年程度の中古戸建を、千代田区、中央区、文京区で購入し、リフォーム検討するのが最強だと思っています。購入はほぼ土地値のみ。「日本は人口減少に伴い、土地神話は崩れて値下がりする」という理論もあり、私も同感です。上記3区以外は。この3区はどうやっても下がりません。土地価値がずっと残ってしまうので。他にもよい区はありますが、お勧めは上記3区でしょう。

戸建は、子供の数やペットの有無に関しては自由度が高いですが、教育学区についてはしっかり考える必要があります。なので、マンションに住むなら、一番は結局「賃貸」ではないかと考えています。

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