エンゼルバンク ~三田紀房~

活字が好きなので漫画はあまり読みませんが、非常に勉強になる漫画も存在します。その中でも、 三田紀房さんの作品は非常に面白いと思っています。正直、彼の画質には賛否両論ありますし、三田さん自身も絵がそれほど得意でないのをインタビューで答えています。しかし、「漫画は絵が下手でも、内容が圧倒的に面白ければ売れる」という戦略を元に、非常に論理的な漫画の展開をしていて、実際ヒット作も数多く存在します。『ドラゴン桜』『クロカン』『インベスターZ』『アルキメデスの大戦』など有名な漫画を描かれていますが、ビジネスで圧倒的に勉強になるのは『エンゼルバンク』と『マネーの拳』です

漫画『エンゼルバンク』は、東大受験漫画『ドラゴン桜』で有名な三田紀房さんが描いたマンガです。ドラゴン桜の「外伝(サイドストーリー)」という立ち位置で、『ドラゴン桜1』の登場人物たちのその後のストーリーになっています。

登場人物

龍山高校で英語教師だった、井野真々子が主人公になります。 教師としての成果を挙げながらも教師でいることに飽きてしまい、 元々テキパキしたデキるOLのような仕事を夢見ていた彼女。転職を決して桜木が主催するビジネスセミナーの会場に行き、桜木に”転職代理人”:海老沢康生を紹介されます。「人の価値は相場で決まる」「30過ぎたら利息で暮らせ」などの海老沢や桜木のアドバイスを受け、教師を続ける事を決意しかかっていた井野でしたが、海老沢の勧めで海老沢が所属している転職サポート会社に転職する事になりました。

14巻もあるので、格言的なものは腐るほど出てきます。今回は、内容はすっ飛ばして、気に入った実践的な格言、記憶に残したいものをピックアップしました。

就職人気ランキングの推移

過去の人気企業ランキングトップ20の変遷について。上位のほとんどの企業がB to Cであり、一般生活に馴染みの高い企業がずらり。それもそのはずで、B to C企業の方が総社員数が多く、新規採用社員数が多い。そして、世間一般的に知られている企業にみんな就職したいので、人気が上位にくる。しかし、B to C企業は厳しい競争の中で企業体質が弱っていく場合が多い。B to Bなら、素材や部品などなので、知名度は低いがビジネスシェアがあれば堅実優良と判断される場合が多い。実際、B to Cの人気企業が、10年後も人気トップ20に残る確率は28%しかなく、7割の企業はランク外へはじき出されてしまう

学生の頃からB to Bを意識した会社選定をした方が、よりよい可能性がありますね。私の取引はB to CもB to Bもありますが、圧倒的にB to Bのが仕事がしやすいし、安定的な収益が上がります。B to Bでよい企業は普段は目につかないので見つけにくいですが、給与が高く、ホワイト企業が多いのが特徴です。

社会人の常識

社会人の常識が出来ていない人なんていっぱいいる。10社かけてコールが5回以内で出る会社なんて2社程度。基本がダメなのは、若手社員への指導が徹底されていない証拠。そういった企業は、少しずつ体力が落ちていく。基本ができている会社は信頼につながる。普通はできて当たり前で、実際に必要なのはその先の特別な領域。非常識な人の集まりが社会なんだから、普通の事を普通にできるだけで大きな成功を手にできる。

普通だと思う事を普通にできるのは、それだけで価値があります。指導が徹底されている場合、教育が行き届いているので今後も業界で衰退していく可能性は低くなります。電話するだけで、何となく見えてくるものが出てきますね。

自行啓発本

自己啓発本を山ほど読んでも成功には近づかない。自己啓発本は無いように感心して真似てすぐ実践しようとする。しかし、経験もないのでうまくいかない。すると他の啓発本に手を出す。この繰り返し。自己啓発本は「へぇ」ではなく「そうそう」と頷きながら知識の確認程度に読むのが正解。そもそも、「へぇ」で読む人は、いつも何も考えていない。アイディアがない。そういう人は成功しない。「そうそう」と思えるには、成功した人の考えと自分の考えが似ている。そういったトレーニングを日常から行っている。自分で考えているかどうかで、本の読み方だけでその人を推測できる。

『本を能動的に読む』という重要性について。 これは、他の自己啓発系にも書いてあります。アウトプット系の本、もしくは速読関係の本「東大読書」「本を読む人だけが手にするもの」「読書する人だけがたどり着ける場所」にまとめてあります。

目標と戦略

目標は高いほどいいが、戦略が建てれるものでないと意味がない。目標がお金なら、外資のトレーダー会社、そのための英語と株の勉強、そのための日常。他の能力は度外視できる。仕事に夢ややりがいだの言っているうちは、本当の努力はしていない。目標がしっかりしておらず、何をしたらよいか道ができていないから。

目標と目的、戦略などのビックワードについてです。コーチングの本のところでまとめてあります。

説得力

説得力の出し方は、たとえ話がうまいこと。ロールプレイングゲームは役に立つ。まず、自分のレベルを上げて、必要な武器をそろえていく。途中でお金集めや、レアな武器集めをするやつがいるが、それは意味がない。目標、ゴールは何か。ゴールはラスボスを倒すこと。ゲームで特別な部屋に入るには鍵が必要。それは国家資格。それ以外の資格は武器や鎧。山ほど集めても意味がない。そして、ラスボスがどこにいるのか、どのくらいで倒せるかの情報も大切。それらをひっくるめて、最後に「言い切る」のが説得力。言い切る事は「言葉に責任を持つこと」につながる。

例え話をうまく織り交ぜながら話すと、頭の良さを感じる事に繋がります。しかし、逆に例えが下手だと、より回りくどい言い方をしただけなので、頭の悪さを露呈することになります。諸刃の剣です。

愛情と無関心、逆転の発想

後輩には大きな成功をつかみ取ってほしい。これは愛情。愛情の反対は、憎しみではなく、無関心。マザーテレサの言葉である。小さな成功を喜んでいる上司は、本当の愛情を部下に抱いていない。無関心だから適当にほめている。成功の反対は失敗ではない。挑戦をしないことが成功の反対。失敗は時に成功まで導いてくれる。このように、逆の発想が大切。例えば、クラスJやグリーン車。お金を出せば快適になる。一般席の改善はあえてしない。普通の席をダメにすることで、お金を出す人が増えるという、逆転の発想。

世の中にたくさん仕込まれている、逆転の発想での売り上げアップの話。最近、面白い動画を見ました。

「年金が破綻する?関係ないわ。だって私は貰えているもん」
「教育予算が減っている?その分、医療費に回してもらえるからありがたいよ」
「地球温暖化?20年、30年先の話なんて知らないわ」
「年金を払いたくない。残業は嫌だ。給料が下がった。匿名でよくつぶやいているね」
「でもあなたたちは選挙にはいかない」
「だから私たちが政治を動かしているの」
「あなたたち若者は存在しない人」
「私たちは選挙に行く」
「これでも、あなたは 選挙に行きませんか」

これは面白いCMですよね。とても勉強になります。元お笑い芸人で、今はHNK職員の たかまつななさんが作成したようです。いつの時代でも、逆転の発想の大切さは問われていますが、ここ最近はその延長で、「個の大切さ」がピックアップされるようになりました。

反対を読む

褒め言葉の常套句が並んでいる商品の価値は疑ってかかる。褒めているつもりで、自分でダメだと白状している。人が何かを表現する時、そこには必ず裏の考えが潜んでいる。笑顔が絶えない職場とは、良い会社なら当たり前。当たり前でないから書いている。世の中で誰かが何かを強調しているとき、その反対が本当は現実である。マスコミ、政府、ネット、色々なもの、言葉に反対の意味があるので、それを考え、読み取る必要性がある。

これも上の『逆転の発想』の延長です。ホリエモンの疑う力が、そのものを言っています

ベンチャー

自分がいなくても回る大企業と、努力が必要で回らないベンチャー。船がどこに行くのが考えるのも、船を動かすのも自分。仕事って何だろう、やりがいってなんだろうなんて考えている暇なんてない。仕事のやりがいがダイレクトにくるベンチャーの方が面白い。ベンチャーは、球状の組織。社長がトップにいるわけでなく、全員が面積の一角を担っている。大企業でよくみられる「人から評価されるために働く」というタイプの人間は、まったく必要ない。誰しも褒められたい気持ちがあるが、ベンチャーの優先順位はそこでなく、あくまで結果。ベンチャーの仕事には正解はなく、回答欄すらない。なので、効率よく回答欄を埋める能力は必要ない。理屈が通用しない状況でも前進できるバイタリティが必要。人生の中心が仕事という人向き。

ベンチャーの精神というか、考え方について。主人公が途中、ベンチャーの社長にインタビューする場面で、ベンチャー精神について語られています。

そもそもベンチャーの定義は、『 新技術や高度な知識を軸に、大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する中小企業』の事。対象はヒト・モノ・サービス何でもありで、これまでにない新しい展開をする中小企業を指します。そこには多くのチャンスがありますが、うまくいくベンチャーは1%もない世界。そもそも、ベンチャー社長はお金には興味がなく、『好きな事をやって食えればよい』という考えの社長が多いのも特徴です。

檻の中の幸せ

動物園の檻の中の動物は、実は特に不自由を感じていない。人間は自分が好きな場所に好きな時間に行けるから、それができない動物を不自由と感じている。しかし、人間にも檻は存在する。それがお金。お金を得るために人は仕事をする。自由を選択するといって会社を変えたり起業しても、お金と言う檻がある限り自由にはなれない。しかし、仲間と一緒に仕事をして成果を上げれるなら、檻の中でも十分幸せという考えもある。

この『檻』っていう考え方がすごく好きです。「檻の中の虎は、狭いところに閉じ込められてて可哀想」という意見が多いですが、見方を変えると、「外の世界は知らないけど、ここにいると人間がとっかえひっかえ遊びに来てくれるし、寝てれば美味しい餌くれるし、部屋の掃除してくれるし、最高なんだよね」っていう考えもできる。

無知と挑戦

ある一つの知識を極めて専門家になっていくのはよいが、新しい事に気付きにくくなり、緩やかにダメになっていく。視野が狭くなっていても専門家として自信があるからやり方を変えない。この停滞状態を打破するために、社内の全く違う異文化を持った人を異動させる。そこで化学反応がおきる。また、本人からすると「知らない」場所に行くことが大きい。知らないと不安になり、勉強する。今までの常識が通用しない程の無知、挑戦ができ、成長につながる。異動とは、社員を成長させ、会社の活性を図ること。知らない土地で新しい事を覚える。その気持ちを忘れなければ、どんどん成長できる。

会社の新陳代謝を行うための人事の話です。人事異動をマイナスに捉えるのではなく、プラスに考える事で、成長を促すような場面での話でした。大手の会社だと、異動というものが日常に存在します。仲間も働き方も変わってしまいますが、常に前向きな姿勢は継続させたいですね

アメリカの転職事情

日本の会社では、人事異動があっても給料は変わらない。日本の会社の給料制度は能力制度。熟練と新米なら、熟練のが高い給料なのが日本、アメリカは職務手技でやったことに対する対価なので、同じ給料になる。アメリカの会社では、それぞれの社員で役割が明確になっている。It’s not my business.という言葉。横の人の仕事を手伝ったりしない。日本は人に対してお金が支払われるので、能力が高い方に高い給料が支払われる。アメリカの実力主義というのが勘違いして日本には蔓延。それに表面を合わせた企業はことごとくつぶれた。実力主義というより、結果主義。いつまで成長しても給料は変わらず、逆に早い段階でできることを増やせばよいが、そんなチャンスは滅多にない。大学卒業程度で出来ることは限られている。そもそも、アメリカの転職率は30%以上。10万人が働く企業なら、毎年3万人も辞めて出ていく。それを補填するのに3万人を雇う。つまり、10万人働いているが、3万人は辞める準備をし、3万人は仕事に慣れるのが精いっぱいで、実務は4万人しかしていない。日本は、転職率は5%程度。転職以外は定年退職と新入社員程度だから、9万人は戦力としてしっかり働いている。この違いは、終身雇用かどうか。衰退産業から成長産業へ人が流れるシステムは、社会全体からすると合理的でアメリカ型。日本の終身雇用では、企業にとっては実に優れたシステム。人材確保、育成費用を軽減できる。日本の雇用は家族の中で赤ちゃんのような存在。異動などを繰り返して経験を積ませる。アメリカは野球チームのような感じ。壊れたり失敗したら他で補う。緊張感があるから、ゴマスリながら、一生懸命にフルパワーで働く。不況になった時、日本は異動があったから、家族のためにフルパワーでどうにかしないとと働く。アメリカはみんなでリストラされる。

アメリカと日本のサラリーマンとしての考え方の違いです。常にプロとして、より自分を高く評価してくれる職場を探すという合理性は、ベンチャーに近いです。しかも、協力してやったプロジェクトの達成感は同様にあるだろうし、働き方としては日本の数十年先を行っていると思います。逆に、日本の未来は、このように個々の力量を問われるようになってくると思っています。

日本社会のデキる定義

面接で大切なのは、コミュニケーション能力、論理性、主体性。面接官も指導官も、10分程度でその人が分かるのは無理。一括採用して、大量に取る。その時がどの企業も同じなので、屈強な体のやつらが焼肉を奪い合うように取り合う。中には生焼けのまま食べる会社も出てくる。そのような状況下では、正しく面接なんてできない。普通の事を普通にでき、愛嬌が合って笑顔がよく、顔が少しいいくらいで挨拶できるやつが強い。どうせ入社しても、出来る奴とはホウレンソウができる奴で少し要領がいい、気さくな奴。10年に一度の天才は、その後、仕事で大失敗してから生まれてくる。また、本当に良い上司とは、「良い人ぶって失敗してもフォローしてあげるよ」ではなく、「これをやれ」とだけ言って、後で修正点を上げ、フォローしてくれる人。

面接のやり方と、日本のデキリーマンの定義についてです。最初からできる人なんていないので、一般的には上司に迷惑をかけない(迷惑はかけるので、それを最小限にとどめれるような、愛嬌と連絡を密にできる、コミュ力の高い人材)がデキる人材です。その後、経験の差で、運良く大失敗を経験でき、それを糧に伸びた人材が部長職へと上がっていきます。

成功するタイプの社長

創業はアイディアと行動力、経営は会社を大きくし続けること、それには人の能力を見分けて、適切な仕事を与え続けること。失敗する社長は、自分が早いランナーだと自慢するタイプ。成功する社長は、自分は適切な人員配置ができると駅伝のコーチになれるタイプ。そして、社長は常に上を見続けなければ、必ず倒産する。上を向いて新しい事をやり続けるアイディアと行動力が大切。また、会社は社員のものと理解し、社員がどれだけ高い給料で雇え、気持ちよく仕事ができるかを追求する能力が必要。社長は従業員のために仕事をして、従業員が顧客のために仕事をする。一般的には、お客は神様だからしっかり働くという教えだが、本当の教育とは、お客が満足して自発的にありがとうと言うように、お客に尽くすこと。店員が創意工夫をしてお客のために動く時、初めて自分の努力に自身が持てる。しかし、攻めに回るだけで中をおろそかにはできない。継続する会社の場合、ある程度のところで中途採用のベテラン経理を雇う。これは、ベンチャーとして始めた会社が波に乗ろうとするときに、イケイケの仲間たちだけでなく、しっかり中の状況を見極め、不況や負債を抱える状況になっても備蓄ができているような状態を作りたいから。また、社長の勉強で大切な事は、次はこういう企画を立ち上げたらうまくいくという事を考えた後、完全に否定するような知識、資料に目を通すこと。会議などがあれば、それを中心に話し合い、仮説を改善する人になる必要がある。

社長という職業の在り方についてです。ある程度のところで、中途採用のベテラン経理が必要というのは、『マネーの拳』でも伝えています。

危機感は、感情で自発的に

会社が赤字になったら、体質改善のチャンス。コピーを白黒にしろとか、そういったものは経営陣がただ騒いでいるだけ。それは経営陣が個人の金銭感覚で経営をしているから。確かにコピーを減らすと数百万で変化するかもしれない。しかし、根本的には大胆な改革をする必要がある。例えばリストラしかり。組織の気持ちで行う。社員の気持ちを引き締めるために簡単な解決策しか打たないと、社員は細かいところまで指示され、自由がないと思って仕事のやる気が失せてしまう。赤字なら、経営陣が給料を下げ、グリーン車を辞めて、危機感を下に持たせる必要がある。この意識改革の方がうまくいく。「人は命令でなく、感情で行動する生き物だから」

経営を、個人のレベルと考えると必ず失敗します。法人と個人は法律も、考え方も全く別物。目の前の事象について、法人としてどう自分が動けばよいか考えるのが社長の仕事であり、責任です。

今後の日本

今後の日本。人口一億人を保つには、単純に1年齢で130万人必要。しかし、1990年生まれから、110万人程度しかいない。今後は移民と言う形で外国人が入ってくるだろう。しかし、必要なのは安価なお金で働く人でなく、日本を好きな外国人を増やすこと。例えば、ネット社会が発達して情報が得やすくなった現代と1960年を比較すると、殺人件数は半分になっている。未成年の殺人事件となると、現代の6倍も昔は多かった。外国人も然りで、日本にいる外人総数を考えると犯罪件数は日本人の確率と変わらない。テレビでは外人が犯罪を犯すと大きく報道するから、そういった印象となる。さらに同様に、外国産と国内産の野菜や果物。外国産は一定割合で検査をしているので、危険なものは除外されるが、国産神話があるので、国産はたいした検査はしない。変な作り方しても、地域で出荷しているので気付かれずに出荷されてしまう。

この話は、アベノミクス前に書かれた箇所です。筆者の三田さんがいかに先見の明があるかがうかがい知れる事だと思います。

ベンチャー企業

ビジネスの本質は伝言ゲーム。社長から、末端の人材でも同じ事を言えるくらい、何度も同じことを聞かされる。それで、同じ理念が浸透し、社長と同じ考えの分身が増える。最前線で働く人が社長と同じ考えというのは、それは強い。

ベンチャーが長く続くためには、構成員を人口統計年齢に合わせる。若いものもたまに求人し、高齢の人も最初から入れる。そうしないと、ベンチャーは若いものの集団から始まる。始めは良いが、同時に皆年をとり、勢いがなくなり、必ず衰退する。

ベンチャーの始めの仲間に、経験豊かなものを入れない。ベンチャーのよいところは、素人の集まりだからアイディアがあるところ。しかし、玄人が混じると今までのルールを適応して、それがルールとして定着してしまう。始めに玄人を入れるのは安心するが、ベンチャーのよさが無くなる。医院の場合は、玄人集団を作り、それぞれの意見を対立させてできるからまぁいいか。

ベンチャーで大切な事は、「目的」と「計画」を混同しない。計画とは、目的へのアプローチの方法。目的実現のために必要なものなだけ。ビジネスには失敗がつきもの。失敗したときのために、計画を建てる段階から失敗したときを想定して動く必要がある。

ベンチャーを勧める訳ではないですが、やはり今後、世界で生きていくとなるとやはりベンチャー社長が一番やりたい事ができ、人生に充実感ができる生き方だと思います。

就職氷河期

就職氷河期の話。1955年56%、2008年13.5%。これは自営業の数。商店街などは軒並みつぶれた。1985年460、2009年773.これは、大学の数。1980年からすでに少子化は始まっていたのに、大学の数は増え続けている。さらに、1990年32万人、2008年38万人。これは、4年生大学卒業者の正社員就職をした数。バブル絶頂期の1990年より、氷河期まっただ中の2008年のが、正社員になる数が多い。しかし、1990年大卒者40万人、つまり就職率81%。2008年大卒者55万人。就職率59%。この20年で大学へ行く人が増え続け、就職できる椅子は増えたが、相対的に就職難になった。しかし、絶対数は変わらない。椅子は多くなっているので、一流大学卒業すれば問題なく就職できる。また、そもそもこれはサラリーマンになるための数字。起業したりを考えるなら、そもそも氷河期なんて存在しない。東大は1学年3000人。4年で卒業して就職するのは1000人程度と言われている。日本の一部上場企業の数は1700社。つまり、一部上場しても東大を一人も取れない会社は半分程度もある。

サブプライム問題の本質

アメリカのサブプライムローンの本質。もし病院で、すぐに500万の手術が必要と言われたとする。日本なら特に問題ない。日本には高額医療費控除があるから。しかし、アメリカではそうはいかない。すべて時費だから。で、一般的なアメリカの中流階級の人が家を買おうにも、アメリカは頭金が半分近くいる国。収入も十分になくて、いつまでも買えない。で、信用度は低いけど、「家を買う時、その家事態を担保にして家を買わないか」という訳のわからん法律を施行した。お金がなくても家が買えるので、みんな買う。すると不動産価格が上がる。上がった分はそれがまた担保になり、その担保を使ってお金を借りれる。すると、クルーザーや車、いざという時の病院の費用がいつでも借りれる状態ができる。アメリカ人特有の強欲と浪費癖と能天気が原因。

まとめ

三田先生の作品、『エンゼルバンク』の漫画に出てきた、意味ある格言の抜粋でした。内容としてもとても面白いし、読みやすいので一読の価値ありだと思います。

人生に迷った主人公 井野真々子が、様々な立場の人から自分の道を探していく物語。物語の中で、世界がどう動いているか、ベンチャーとは、社長とは、お金とは。色々な物事について、具体的な人物を通して学べるように描かれています。

これを読んで何か大きく変化したかと言われると、それはちょっと違う感じなんですが、人の人生が描かれて具体的にイメージできるように進んでいくので、とても分かりやすいんです。『本を読む事で体験できる』という事そのものだと思います。

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